診断は医師の仕事

No Comments

 自分は発達障害者に違いないと思い込み、クリニックや病院で受診する前から、あれこれ心配される方がいらっしゃいます。しかし現実は、そのような「自己診断」で悩んでいる人のほとんどが、発達障害者ではないのです。実際、発達障害の治療を専門とする都内の某病院では、これまでに数千人の「自己診断者」が訪れましたが、大半は健常者であり、ASDと診断されたのは3割、ADHDは1割といった有様です。しかもASDと診断された人の中には、「その疑いがある」といった、グレーゾーンに属する人が含まれており、全受診者に占める真の発達障害者は、多くとも3割に過ぎないだろうと考えられるのです。ですから、「自己診断」は大変危険です。疑いを持つところまでは大切ですが、その後は医師に任せなければなりません。独学で診断してしまうと、不必要な不安を抱えたり、仕事や生活に悪影響を与えてしまったりします。
 では何故自己診断者がこれほど多く存在するのでしょうか。それは発達障害の症状の特徴に関係しています。発達障害の症状は、程度の差はあれ、健常者にも少なからず見られるものだからです。対人関係の支障なわけですから、当然と言えば当然と言えます。健常者であってもコミュニケーション能力が乏しい方も多数いるはずですから、社交不安を抱えている人は、つい自分の障害を疑ってしまうのです。しかし、真の発達障害者、例えばASD罹患者は、対人関係に不安を抱えるというよりも、どちらかと言えば鈍感であることの方が多いとされます。つまり周りが見えず、空気を読めず、周囲の人に嫌われていることにも気づかないでいることが珍しくないのです。

Categories: Uncategorized

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です